人間消去アプリ

「嘘でしょ……」


「だから、嫌いな人や憎い人がいても、あのアプリは使わないほうがいいよ?」


「う、うん、使わない。


これからムカつくことがあっても、絶対に使わないよ」


慌ててうなずく園子。


その姿が滑稽で、笑ってしまいそうになる。


園子が首を上下に動かしてから数十秒後、いきなり園子にこんな話をした。


「ねぇ園子、沙織のこと、どう思う?」


沙織のことを聞かれると思わなかったのか、さらに驚いてみせる園子。


「えっ……神宮寺さん?」


「うん」


それ以外に誰がいるっていうのよ。


本当、園子ってバカだね。


心の中でふっとほくそ笑む。