人間消去アプリ

園子が、私の肩に手を置く。


本当ならその手を振り払いたいが、暗い表情をしているので、振り払うことはしない。


「園子、ありがとう……。


じゃあ、知り合いから聞いたこと、話すね」


かすかに笑い、作り話をしはじめた。


「じつは……【人間消去アプリ】を使ってる人は全員死ぬって噂を聞いたんだ」


「えっ……」


園子が私の肩から手を離す。


「私の知り合い、朔間高校の卒業生で、知り合いが高校にいたころも【人間消去アプリ】が流行していたみたいで」


「…………」


「その知り合いの人、【人間消去アプリ】が怖くて、インストールしなかったらしいの」