人間消去アプリ

やっぱり。


園子なら知ってると思った。


私が通う学校で流行してるって、前に沙織が言ってたからね。


「……そのアプリ、園子は使ってる?」


そう聞いたと同時に、園子の顔色がさっと変わった。


なにかを隠しきれないような表情をしている。


どうやら図星のようだ。


「安心して、園子。


もし【人間消去アプリ】のユーザーでも、私は誰にも言わないから」


園子の隣に座って、園子の肩に手を置く。


園子が、うるうるとした目で私を見つめる。


「理央……」


まるで救世主にでも出会ったかのような目。


園子にそんな目を向けられたくない。