人間消去アプリ

心の中ではそうつぶやきながらも、笑顔でマグカップをローテーブルに置く。


「こっちこそありがとう、園子。


学校を抜けだすくらい、私を心配してくれて」


「いやいや、お礼の言葉なんていらないよ〜。


だって理央は、私の友達だもん!」


友達?


誰があんたの友達よ。


私の本当の友達は【人間消去アプリ】だけ。


あっ、【人間消去アプリ】といえば……。


あることを思い出し、園子に話を振る。


「ねぇ、園子。


【人間消去アプリ】って知ってる?」


「えっ?


うん、知ってるよ。


心の底から憎いと思ってる人の名前を入力すると、その人を消去してくれるっていう」