人間消去アプリ

園子が、机の上に置いてあったあるものを指さした。


「じゃあ、なんで学校のカバンがあそこに置いてあるの?」


その言葉に、一瞬だけ肩を震わせた。


しまった。


カバンを机のフックにかけるの忘れた。


家に帰ってすぐ、私は部屋で制服から私服に着替えたんだ。


そのとき、カバンのことを1ミリも考えていなかった。


ここは、嘘をつくとするか。


「あ〜……本当は学校に行きたかったから、カバン用意したんだけど、そのあとにめまいがしたから、カバンをしまうの忘れたんだ」


「そうなんだ」


私がついた嘘に、大真面目な顔でうなずく園子。