その衝撃で、円歌の体から大量の血があふれでてきた。


頭、口、腕、脚から、血が流れてくる。


電車にぶつかったせいか、円歌の目は大きく見開かれている。


なんてマヌケな顔なんだろう。


マヌケな顔のまま、円歌は動かなくなった。


円歌、ののかが死んだときと同じ顔をしてるよ。


おかしくて、私は笑いをこらえきれなくなった。


目に涙を浮かべ、両手でお腹を抱える。


電車に乗っている人たちが、不審者を見るような目で私を見ている。


でも、そんなことはどうでもいい。


円歌が、私の目の前で死んでくれたから。


それだけで十分なの。


しばらく笑い続けたあと、私は逃げるように駅をあとにした。