人間消去アプリ

「そうだよ。


沙織が卑怯な手を使うわけないじゃん」


沙織のことがあまり好きじゃなくても、友達だとは思っているらしい。


円歌は沙織をある程度信頼しているのだろう。


「だったら……私のせいかな」


ひとりごとのつもりでつぶやいた言葉。


なのに、円歌がその言葉に反応した。


「な、なんで理央のせいになっちゃうのよ」


焦っている様子の円歌。


「だって、円歌と沙織がすずねの死の原因を作ってないなら、私がすずねの死の原因になっちゃうじゃん」


目から涙がこぼれてくる。


涙はおさまることなく、私の机にポタポタ落ちていった。


涙を出すことなんて簡単だ。