ねぇ、すずね。


私、あんたのこと、もう友達とは思ってないよ。


お金がたくさんあれば、それでいいの。


あんたにお金は絶対に渡さない。


なのに、すずねは当たり前のようにこう言う。


「明日、お金の半分、取りにきてもいい?


お金の半分は私のものだから」


は?


……『お金の半分は私のもの』?


誰がいつ、そんなことを決めたの?


カバンとリュックに入れたお金は、全部私のものなのに。


なんで当たり前のようにそう言うの?


心の中ではそう思っていても、口には出さない。


「すずね、明日、学校ある日だよ?」


「わかってるよ。


でも、放課後に理央の家に取りにいっても問題ないでしょ?」