おばあちゃんが死んだ日、沙織にこれからも【人間消去アプリ】を使うのかと聞かれた。


一度使っただけでは信じられないからと、私はもう一度使うと答えた。


憎い人間が嫌ってほどにいるとも言った。


そのあと、私はこう言ったんだ。


『二度目は、近いうちに実行するよ。


楽しみにしててね、沙織』


近いうちに実行する。


その“近いうち”が、沙織は今日なのではないかと思っている。


「の、ののかが死んだのはただの偶然だよ。


嫌なことされたくらいで【人間消去アプリ】を使うわけないじゃん」


「…………」


「だ、だから、私は使ってないよ、絶対に!」