【人間消去アプリ】を使うほど、ののかのことが嫌いじゃないなんて、嘘に決まってる。


だけど、私が【人間消去アプリ】でののかを死なせたと思わせないようにするためには、嘘をつくしかない。


「あれっ、そうなの?


理央ちゃんのことだから、てっきりその同級生の子にアプリを使ったのかと思ったよ」


きょとんとする沙織。


なんとか嘘だとバレずに済んだようだ。


ほっと胸を撫でおろす。


しかし、沙織の言葉は終わらなかった。


「んー……でも理央ちゃん、前に病院で『楽しみにしててね!』って言ったよね?


だから二度目は今日なのかと思うんだけど……」


たしかに私はそう言っていた。