悩むわー。
チョコにするか?ストロベリーにするか?バニラにするか?
選択肢は3つだ。
さすがに向こうの世界のような沢山のフレーバーはない。
でも、あるだけ凄いことよね?

「うーー………うー………」

アイスの前で唸る私を見て、提督さんが言った。

「……そんなに考えることか??ふっ…………」

笑ってやがるっ!!
人がこんなに真剣に悩んでいるのに!

「どれも美味しそうで……うー……ストロベリー………いや、チョコ………」

「オレがチョコにしようか?それを一緒に食べたらいい」

提督さんが………アイスを??
その言葉が顔に出たのか、提督さんは真っ赤になって焦った。

「ふ、普段は甘いものは食わないんだが、今日は、うん、特別にな。甘いものが少し欲しいんだ……」

可愛いっ!
その真っ赤なほっぺを両手で挟んでぷるぷるしたい!
出来ないけど。

「やったーー!ありがとうございます!じゃあ私ストロベリーにしますねっ!」

「あ、ああ、そうしろ」

なんか更に真っ赤になりましたけど?
どうかしましたか、提督さん?
ストロベリー1つとチョコ1つ、アイス屋のおじさんに注文してそのまま待つこと1分。
コーンの上にこんもり盛られ、提督さんの顔で少しオマケされたアイスが私の手元にやって来た。
もとのベンチに戻って、座ると同時にストロベリーにかぶり付き、ふと、提督さんと目が合うと……。
なんと、蕩けるような笑顔ではないですか!!
そんなにチョコ美味しかったんですか!?

「チョコ、下さい!」

思わず言ってしまった。
私の食い意地、どうにかならないかな。
ならないな……。
提督さんはその蕩ける笑顔のままアイスを寄せてくれたけど、私がペロリと舐めた瞬間、その表情はみるみる変わっていった。
どう変わったかというと、もう、イチゴのように真っ赤……。
照れないで下さい、こっちまで恥ずかしくなるじゃないですか!!

「これはあれだな!間接キスとかいうやつか!」

そんなに大声で言うんじゃありませんよ!!
何なんですか、アホですか!?
恥ずかしさでおかしくなったんですか?
これじゃあまるで、バカップルじゃないですかー!