でも、その時にこにこしながらはいはいと頷いていたお姉ちゃんが内心どう思っていたのかは、わからない。
 小学生のころはそんな光景に何の疑問も持たなかったが、高校に入学したころからそんな地元の村の空気に息苦しさを覚えるようになった。

 私は一生この村には戻らない! ずっと都市で暮らしていく。
 ただの反発心で、故郷の村を飛び出した。
 なんの知恵もなく、なんの信条も信念もないままに。
 すごく無防備だったと思う。
 田舎者でおしゃれもダイエットも恋も知らない私が、大学で異常に周りの目を気にして必死になって生きてきたのは、前に話した通りだ。

……やっと飛び出したのに。

「まーたお見合いメールかあ……」