「それでは朝井さん、貴重なお時間をいただきありがとうございました」

 今度こそテーブルに頭を打ち付けないように、椅子から立ち上がって深々とお辞儀をする結城さん。
 顔を上げた瞬間、見えた。
 ほんの少し照れ笑いを浮かべているのが……。

……ああ、めっちゃ可愛い笑顔!

 ずっと表情の変わらなかった結城さんが見せた一瞬の照れ笑いは、これまでのどの男性の表情よりも深く私の心に彫りつけられたのだった。

 結城さんが元の席へ戻ると、戻ってきたのは最初よりも汗だくになっている5番さん。

「やっぱこのパーティークソだわ~。12点、いや11点」とかブツブツ呟きながら、私を一瞥もせず腰掛ける。
……何人目かの時に「99点!」って叫んでなかったっけ??