「い、痛いです……」

 思わず私は声を上げて笑いだしてしまった。
 可愛い人だ――そんな風に好ましく思えてしまう。

「お、お恥ずかしい限りです」

 ちょっと顔を赤らめて、おでこをさする。

「いえいえ! そういうの、ギャップ萌えですよ。かえって結城さんに親しみが湧きました」

 クソ真面目で退屈で……ちょっとドジな結城さん。

「それではお時間です!」
という司会者の声。
 これまでは、その言葉を今か今かと待ち焦がれたし、聞こえた途端安心した。
 しかし今回はちょっぴり「早すぎる!」と思えた。