「どもどもこんにちは~」

 関西のイントネーションでやって来たのは、転職を繰り返しながら塾講師に辿り着いたという2番さん。
 ラフなTシャツにジーパン姿。
 1番さんに比べれば顔立ちは平凡ではあったが、それがむしろ私を安心させる。

「僕関西弁でしかしゃべられへんから、そこんとこよろしく~」
 2番さんはさっそく私のカードに目を通し、

「お、商社で勤務か~かっこええなあ~。
 あらま、好きな男性のタイプは『真面目な人』て! まるで僕のことですやん!
 えーと、それから~? 趣味! あらあら趣味! え~? えらいことですやん、英語の勉強やなんて」

 まるでテレビで見る関西出身のお笑い芸人のようなトーク。
 なんだか今にも漫才が始まりそうな軽快な関西弁に、私は思わず吹き出してしまった。

「さすが、塾の先生ですね。トークが面白い!」

「いやいや、これ関西やったら標準。ノーマルや。塾の先生してるんは関係ないで。ひばりさんかて関西に住めばすぐ僕みたいなしゃべりになるで」