でもどうだろう。

 ある意味7番さんは、「筋肉を育てる」ということに関して真面目なのではないか?

 私が「つまんない」くらい「クソ真面目」な男といえるのではないだろうか?

 占い師の先生の予言は――



〈あなたと相性のいい男は、あなたが激しく愛する男ではないわ。そうね……クソ真面目で話してても退屈に思える男と、幸福な結婚ができるって、星が教えてくれてる〉



〝クソ真面目〟〝話してても退屈〟。

 考えようによっては、7番さんはこの2つのキーワードの両方を満たしていることになるではないか!

 このことに気づいた私の心臓は、突如としてバクバクと暴れだした。





――この筋肉マンが、運命の人!?
 



 なんて思っているうちに。

「それではお時間です~」の声。
「どうもありがとうございました!」

 最初と同じ、爽やか体育会系のあいさつを残し、7番さんは次の席へ旅立っていった。

 7番さんが立ち上がってからも、私の心臓はドキドキしている。

……あー、ほとんど私しゃべらなかったなー。でも、筋肉に対してストイックで真面目なところは素敵かも。




 この時の私はまだ知らなかった。

 7番さんは、どの女性に対しても同じように「特別感」を出してボディータッチさせていたということを。