こんな風に、見合いは順調に、朗らかに進んでいった。

 不思議と、浩太郎のことを忘れて大道寺一家との会話を楽しむ自分がいた。
 陽人さんが口にする冗談や子どものころの失敗エピソード、家族との思い出話は、聞いていて飽きることがなかった。
 性格的には結構大雑把な性格のようだ。よく見るとワイシャツのボタンは一段ずつ掛け違えられていたし、部屋の中はそこそこ散らかっている、とのことだった。

――でも、一緒にいて楽しい人だな。

 細かいことを気にしない陽人さんは、こっちをリラックスさせてくれる人に思えた。名前の通り、温かい太陽のような人。

 私は仲人の村田さんに返すべき答えを、すでに決めつつあった。