「今日は僕が送り迎えするよ」

「えっ、そんなの、悪いよ」

「ううん。そうでなきゃ、僕が心配なんだ」

「……じゃあ、お言葉に甘えるね。時間もないし」

 電車だとあと10分ほどで出ないといけないが、車ならもう少しゆっくりできる。準備がまだまだの私にとっては渡りに綱だ。

「じゃあ、マンションの前の車で待ってるから」

 そう言い残して、一旦浩太郎は立ち去った。


 すぐさま巻ききれていなかった部分の髪を巻き、簡易なヘアアレンジをして、招待状やら祝儀袋などの忘れ物がないかさっとチェックをして、家を出た。

 車に乗り込むと、浩太郎は上機嫌だった。

 発車前に、浩太郎はまたしても私を褒める。

「本当にキレイだね」

「ありがとう。ちょっと手間取っちゃった」

「じゃあ、はい」

 エンジンが掛かる前にそう言って手渡されたのは、小さなキーホルダー。
 クマの飾りが付いている。
 急に、どうしたんだろう?

 その正体は、


「それを持っててくれたら、いつでもひばりちゃんの居場所がわかるから」



 GPSってこと!?