よし、決めた!
 婚活パーティーに参加しよう!

 日時検索のフォームに、次の土曜日・正午過ぎとの情報を打ち込む。
――占い師の先生の言葉に賭けてみよう。
 言われたとおりの時間に、言われたとおりの方角で開催されるパーティーを、私は検索する。

「げ、こんなに種類があるんだ……」
 ずらりと画面に示される検索結果。単純に日時と場所では絞りきれないらしい。

 それはどうしてかというと、細かくパーティーの種類や参加条件が設定されているからなのだった。
 たとえば、
「アラサー限定パーティー!」
とか、
「アウトドアが趣味の男女集合!」
「身長180センチ以上の男性限定!」
「年収1000万円以上の男性限定!」
などなど。
 絶対に「年齢」は参加条件の中に含まれている。
 でもそれだけではないのだ。
 見てみると、男性に対する条件は細かく設定されていても(特に多いのは「年収」「職業」「身長」だ)、女性は年齢だけ……のようなパターンもあるよう。今時コレって逆セクハラ?
 面白いのは、どう見たって客観的条件ではなく、主観的条件でしょっ!?という条件のパーティー。
 たとえば、
「見た目に自信がある人限定」
「優しく誠実な人限定」
とか、どうやって基準を定めるのやら、と言いたい。
 一方で、
「笑いの絶えない家庭を作りたい人集合!」
みたいな種類のは、ビジョンがあっていいのかもしれない。

「うーん、どれにしようかな」
 思わず独り言。
 選択肢が多すぎて、選びがたい。
 昔から優柔不断な性格が手伝って、悩んでしまう。
 なぜなら、次の土曜日に出会う相手が私の結婚すべき運命の人のはずだから、慎重に出会いの場は選ばなくてはいけないからだ。
 もちろん、占いを信じるならばの話だけれど。

「人生、やっぱりお金は大事だよね?」
 様々な参加条件を見た結果、私が辿り着いた結論。

……年収!
 お金を持っている男!

 はなはだしく俗っぽい価値基準である。

「愛のない結婚しか私にはできないんだから、せめてお金くらい……」

 ほとんどヤケッぱちの考えで、私は心を定める。
 年収の高い男性が集まるパーティーで、金持ちの男をつかまえよう!