画面をスワイプしてメールを開いたとき、その長さに正直まず驚かされた。
 でも彼の誠実さがひたひたと伝わってくるその文面に、私は吸い込まれていった。
 メールの文面は、以前までのそれよりもずいぶんカジュアルなものに変わっていた。もちろん、当人比での話だけれど。
 きっと、話し言葉を変えたのに合わせたのだろう。
 でもまだまだ丁寧さの残る文面だ。


『今日はひばりさんに対し、失礼な行動をしてしまいました。本当にごめんなさい。お詫び申し上げます。
 僕が独善的な人間だからあんなことになってしまったのだと、深く反省しています。

 今日お話ししたように、僕にはデートの経験がほとんどありません。
 正式に交際した女性は、実はひばりさんが初めてです。

 初めての恋人とのデートを、完璧なものにしたいという思いの強さのあまり、肝心な「ひばりさんが喜ぶかどうか」を僕はすっかり失念していたようです。

 僕は本当にひどい男です。