「星野さん、今までの私の話は聞いておられましたか? ずいぶんとパフェに夢中のようでしたが」
「ええ、ええ、パフェに夢中でしたよ! 夢中すぎて先輩の話なんて全く聞いていませんでした! わたしが松本くんの無意識の中に夢を介して入れるだなんて、さらにその能力が先輩から転移したものだなんてこと、全然聞いてませんでした!」
「……全部聞こえていたということですね。さすがは星野さん。パフェに集中していると見せかけて、私の美声にもきっちりと耳を傾けていたというわけですね。この力を授業中にもぜひ発揮してほしいものです」
「誰の声が美声だって!?」
ナルシストか。
だいたいわたしが授業を聞いていない前提で話すな。
そんな話をしているうちに、ランチを食べにやってきた客たちが店の入り口付近で長い列を成し始めているのが目に入るようになった。
ふと気が付くと、店員がちらちらとパフェとドリンクバーとコーヒーしか注文していない我々を咎めるような目つきで眼差している。
「わたしたち、明らかに邪魔な客ですよ」
小神に小声でそう告げた。さっきまで店内を走り回っていた子供たちも今では席に着いてお子様ランチを満足そうに頬張っているではないか。
もちろんプレートに乗った色とりどりの国旗を行儀悪く振りまわしながらではあるけれど。
親同士は互いのおしゃべりに夢中で、子供の食事にまで気が回っていないらしい。
「それでは、注文しましょうか。ランチが来るまでに星野さんもその変わった味のパフェを完食できそうですしね」
確かに、もうパフェも残り少ない……っていうか、まだわたしは小神とここにいなきゃいけないわけ? 暗にわたしは「このパフェが食べ終わったら帰りましょう」と言ったつもりなのだが。
「ええ、ええ、パフェに夢中でしたよ! 夢中すぎて先輩の話なんて全く聞いていませんでした! わたしが松本くんの無意識の中に夢を介して入れるだなんて、さらにその能力が先輩から転移したものだなんてこと、全然聞いてませんでした!」
「……全部聞こえていたということですね。さすがは星野さん。パフェに集中していると見せかけて、私の美声にもきっちりと耳を傾けていたというわけですね。この力を授業中にもぜひ発揮してほしいものです」
「誰の声が美声だって!?」
ナルシストか。
だいたいわたしが授業を聞いていない前提で話すな。
そんな話をしているうちに、ランチを食べにやってきた客たちが店の入り口付近で長い列を成し始めているのが目に入るようになった。
ふと気が付くと、店員がちらちらとパフェとドリンクバーとコーヒーしか注文していない我々を咎めるような目つきで眼差している。
「わたしたち、明らかに邪魔な客ですよ」
小神に小声でそう告げた。さっきまで店内を走り回っていた子供たちも今では席に着いてお子様ランチを満足そうに頬張っているではないか。
もちろんプレートに乗った色とりどりの国旗を行儀悪く振りまわしながらではあるけれど。
親同士は互いのおしゃべりに夢中で、子供の食事にまで気が回っていないらしい。
「それでは、注文しましょうか。ランチが来るまでに星野さんもその変わった味のパフェを完食できそうですしね」
確かに、もうパフェも残り少ない……っていうか、まだわたしは小神とここにいなきゃいけないわけ? 暗にわたしは「このパフェが食べ終わったら帰りましょう」と言ったつもりなのだが。