顔中に歓喜を浮かべ、わたしに飛びつこうとする小神を寸前のところですり抜け、

「いやいや恋愛感情ではなく、人間として生物として好きになれ――」
「素直ではありませんね星野さんいやはやどれほど私がその言葉を待ちわびていたことかこれでもう週明けからは学校に通えそうです本当にうれしいです末永くこの私をよろしくお願いしま――」
「人の話を聞けえええええええええええ」

ピョンピョン跳ねる小神それを避けるわたしそしてわたしは小神家の応接間にあった花瓶の一つを割ってしまったのだが、その日の話はもうこのあたりで切り上げよう。

 何はともあれ、週明けから小神はあの事件のことなどなんでもなかったかのように登校してきたのだから。

 そしてそれ以前よりもはるかにウザったく校内でわたしにまとわりつくようになったのは、言うまでもない。