普段女子とはあまり話さなくてクールだけど、女子が苦手で口下手なだけで、本当はきっと優しい人なんだわ。


そんな風に思って2年生で同じクラスになってからは彼に少しだけ、ほんのすこーしだけ憧れていたんだよね。


まあ、それはアイドルに憧れるようなミーハーな気持ちにすぎなかったけど。


それに私だけじゃなくてクラスの女子のほとんどが彼のあの素敵な容姿にドキドキしていたに違いない。


「ねえ、杏、教えてよー。ちょっとだけ」


「うーん、それは」


なんだか彼の体がどんなだったかなんて軽はずみに話したらいけないような気がして口ごもる。