没落貴族の娘なので、医者として生活費を稼いでいます!

母の望みは知っているけれどーーー

「ううん、私はいい。その代わりコーネリアに最高の社交界デビューをさせてあげて」

「でも・・・」

「アラベラ」

「・・・わかりました。今回はコーネリアだけということにしておきます」


母も渋々ではあるが納得してくれたようだ。私は診療所の仕事が忙しいから休めないし、なにより社交界に興味は一切ない。
毎日毎日パーティーをして何が楽しいのかさっぱりだ。
しかし、社交界に憧れているコーネリアが目の前にいる以上そんなことはいえない。


「コーネリア、うまくいけば第一王子に見初められるかもしれないわ!新しいドレスも作ってしっかり準備しましょうね」

あっさり切り替えた母はコーネリアを着飾ることで頭がいっぱいのようだ。
単純というか何というか・・・


「私では王子殿下とは釣り合いませんわ。シエルお姉様のような方でないと」

・・・毎日薬品を触ったりしているおかげで手はガサガサ、長い髪は仕事の邪魔になるからと肩あたりでそろえた髪はボサボサ。
こんな私を選んだら、王子は相当物好きだろう。
なのにコーネリアは何を言っているんだ。


「あー、はいはい。お世辞はもういいから寝るよー」

コーネリアを引っ張って二階に上がる。



「・・・相変わらずかわいらしい部屋」

コーネリアの部屋は壁紙も花柄、家具も丸みを帯びた女の子らしいものばかり。
いかにも年頃の女の子の部屋という感じだ。


「シエルお姉様の部屋は逆に質素すぎます」

「あれは質素なんじゃなくてシンプルっていうの」

私の部屋は生活に必要なものしかなく、確かにコーネリアの部屋と比べれば簡素かもしれないが、今や滅多に帰らないのでそれでも不便は全くない。


「さあ、寝よ」

コーネリアにいいながらベッドにダイブする。

「シエルお姉様、少しお話ししましょうよ」

「んー、してあげたいけどね。眠いから今日は寝かせて。おやすみ」

「・・・わかりました。おやすみなさい」


コーネリアの返事を聞いてすぐに私は眠りに落ちた。