須藤くんがどういう意図で言ったのかわからないけど、無性にイラッときて。


「須藤くんも、そろそろランニングしないと怒られるんじゃない?さっきからずっと、私と話してるじゃん」

「あ、そうだね。じゃ、またね。永瀬大好きな篠原ちゃん」

「『また』とか、来なくていいんだけど」


どうにも胡散臭さしかない須藤くんには、できればもう二度と近寄りたくない。


永瀬。

バレー部の、万年補欠のキミが。
誰よりもかっこいいってことは、私だけの秘密だ。







うちの学校のバレー部は、どうやら強豪らしく、身長がバカみたいに高い人が多い。
さっき話しかけてきた須藤くんだって、身長185センチはある巨人だ。

だけど、永瀬はギリギリ170センチ。本人は170.5センチだって言い張ってたけど。


それでも、私からしたら充分大きいのに、ここでバレーをするには圧倒的に不利な身長らしい。バレーって大変。