天然素材の恋

いつも以上に低い声が出た。



「そんなこと、、、、どうだっていいわ。」




「でも近所迷惑だよ。」




「迷惑?、、、、、、私にとっては、私に関わるもの全てが迷惑よ。」




離婚したのに、今度はなんだっていうのよ。




母はどんどん精神がおかしくなってる。




でも、私にはどうすることも出来ない。



その前に、伽斗に、友達に聞かれていたことが、




この家の残酷な、嫌な部分が知られたことが、




私にとって屈辱的で、



悲しくて、



最悪。




友達にだけは、知られたくなかった。




こんな汚い世界、知られたくなかった。




怒りと悔しさと悲しさで胸がいっぱいになる。




もう部屋に戻ろう、そう思った時、




「、、、、、、あんた、公務員になりなさい。」




は?




「公務員になって、お金いっぱいもらって。うん、そのほうがいいよ。あんたの夢、カメラマンだっけ?そんなの、無理よ。生活なんてできないわ。せいこうするかくりつもないのに。」