天然素材の恋

歩きながら、何気ない会話をする。




でも、たまに車が来ると伽斗が私のことを避けてくれたり、歩くスピードをゆっくりにしてくれたり。




優しさが滲み出ている。




そんな感じ。




そういうのがなんか心地よくて、自然と笑顔になる。




「あのさ、俺こないだ気になったことひとつあったんだけど。」




家の前まで来ると、伽斗が思い出したように言う。





「こないだ、お見舞いに来て響樹と会って。帰ろうとした時、、、家の中から誰かの呼ぶ声が聞こえて。」




え?




「莉那は寝てるだろうし、女の人の声だったから。その、なんか心配になって。」




嘘、、、、、、、




聞こえてたの?




というか、私は寝てたわけだから分からないけど。




誰かに聞こえていたことが、




友達に聞かれたことが、





私の中で何か終わるような音がする。




私今、どんな顔してる?




変な顔、してないよね?