最初はほんとに大変だった。




だって、ひとつ言う度に伽斗が、




「そんなやつこの世にいるの!?」




「これで生きて来れたの!?」




とかとか、大騒ぎで。




その度に葉月葵が、




「海璃うるさい!!莉那がしゃべってるの!!」




「あー、もう!!海璃の意見は後で!!」




と、つっこむからまた時間がかかって。




でも最後はみんなちゃんと聞いてくれて。




葉月葵は泣いてくれた。




「辛かったね。莉那。気づいてあげられなくてごめんね?」




その言葉が嬉しくて、悲しくて、私達は抱き合った。




やっぱり親友に迷惑をかけてしまった。




そう思って。




でも、葉月葵は親友だから迷惑かけていいんだって言ってくれた。




それが普通のことだって。




「ありがとね。葉月葵。」




「ん?」




なんて、とぼけるけど、心の中では嬉しく思ってくれてると思う。