「え?」




「私ばっかりこんな目に合うとかって言ってた。そしたらお兄ちゃんが、怒って。好きなことして、努力して何が悪いんだって。そんなだから、父さんもいなくなるって。」




「、、、あぁ。そうか。」




何となくその先が見えた気がした。





信じたくないけど。





「そしたらお母さんが持ってたお皿床に投げて。私はソファーにいたんだけど、お兄ちゃんは立ってたから破片が目に入ったのっ。おばあちゃん来たけど、すぐに出て行ったお母さんのこと追いかけて。」





泣きそうになってる伊知ちゃんのことをぎゅっと抱きしめた。




「怖いっ、、、!!お兄ちゃんもお姉ちゃんも、可哀想っ!!」




「っ!!」




腕の中で震える伊知ちゃんは、莉那みたいで。




ひしひしと助けを求めているのが分かった。




なぁ、莉那。




隠してたことってこれなのか?




頑張って伊知ちゃんに見せないようにしてたんだな。




でも、莉那が頑張ってるの伊知ちゃんは知ってるみたいだよ。