コンコンとノックすると、はい、と声がした。




「おかえり、響樹。」




「ただいま。今度何揉めてるの?」




響樹が片付けをしながら私の話を聞く。




「なるほどねー。別に俺たちにそれを言ったところで何も出来ないけどね。」





「うん。」





「それより、お腹空いたから何か持ってくるよ。伊知も呼んでここで食べるだろ?」





「うん。、、、伊知呼んでくる。」




母が父と喧嘩の毎日があってから、響樹と話し合って、伊知にそういう姿を見せないようにしようと約束した。




だって、子供が見るにはあまりに惨めな姿。





母は家事はちゃんとする人だから、朝ご飯もお昼ご飯も夜ご飯もちゃんとある。





いつも響樹がそのご飯を温めて部屋に持ってくる。




3人分。




私は伊知の部屋に行って、響樹の部屋に連れてくる。




響樹によると、私達が上で食べていても母は気にしないらしい。