伊知ちゃんよりも、莉那の方がやばいんじゃないか、、、




顔は電話が来てから真っ青だし、血の気はないし。




辛うじて立っている。




そんな感じ。




でも、長女だって自覚があるから、自分に言い聞かせてるみたいだった。




伊知ちゃんは何も話さずに俺の手を握っていた。




初対面の俺を信じてもらえて良かったけど。




あれから1時間が経とうとしてる。




1度莉那に帰っていいと言われたけど、この2人をこのままにしておくことは出来ないし、何より莉那のことが心配だ。





その時、カツンカツンと廊下を歩く音が聞こえた。




ヒールの靴?




すると、莉那がスクっと立ち上がった。





「莉那?」




「お医者さん呼んでくる。」




そう言って莉那は近くにいた看護師に話しかけに行った。




「あっ、お母さんだ。」




隣に座っていた伊知ちゃんが指を指す。




看護師と莉那と母親が話し合っていると、後ろから医者が来た。




そして、俺たちの元に戻ってくると、