「そうだ! 沢山の人が見てるなら、助けてくれるんじゃない!?」


理恵が期待を込めた声でそう言った。


「そうだよね。今のクイズで学校も特定できるから、もしネットのライブ配信とかだとしたら、助けてもらえる可能性はあるよね!」


あたしは何度も頷いてそう言った。


視聴者の中には善意ある人だってきっといる。


どれだけの人に見られているのかわからないけれど、助かる期待が一気に膨らんでいくのがわかった。


幸平も、表情が少し明るくなったようだ。


しかし、その気分を台無しにするアナウンスが流れた。


⦅さぁ、次の回答者は石室澪さんです!⦆


自分の名前が呼ばれ、心臓がドクンッと大きく跳ねた。


熱さも忘れてしまうほどの緊張感が、足元からせり上がって来るのを感じる。


大丈夫。


幸平の時はあんなに簡単だったんだ。


あたしの時だって同じようなものだろう。


そう考えて、あたしは次の指示を待ったのだった。