幸平にそう言われてハッとした。


確かにその通りだ。


クイズ問題を出すときや、答え合わせの時の口調はテレビ番組の司会者のようだった。


あたしたちを怖がらす演出がしたいなら、もっと他に効果的なものがあるはずだ。


「ってことは、これを見てるのはスピーカーの相手だけじゃないってこと?」


あたしがそう聞くと、幸平は頷いた。


「たぶんそうなんだと思う」


「大人数で見学ってわけか!」


光男が天井へ向けて叫ぶ。


きっとどこかにカメラなどが設置されていてネット配信でもされているのだろう。


物語ではよくあるパターンだけれど、見える所にはカメラを確認することはできなかった。


あるいはよほど近づいて見なければ気が付かないような、小型のものなのかもしれない。