『あいつは優しいよ。大丈夫瀬奈ちゃん、僕の息子は怖くないから』
キムさんの言葉を思い出して、私は1人で頷く。
(怖くないのに…)
どうしたんだろう、私。
その呟きは声にならずに、頭の中だけで再生されて消えていく。
(……もういいや、寝よう)
心臓の鼓動が元に戻るまでしばらく壁にもたれかかっていた私は、最初に目を覚ましてから約20分後にようやく横になって目を閉じた。
(寝よう。そう、寝れば大丈夫)
けれど。
先程の恐怖が上手く拭えず、結局ようやくうたた寝が出来たかな、という所で朝になってしまった。
つまり、4時間程しか寝れていない。
(…無理、眠い…ああ、こんなに寝なかったのは元旦の日以来だ……)
窓の外からは鳥の鳴き声が聞こえるこの清々しい朝に、私は1人大欠伸をしながら学校へ行く支度をして。
「瀬奈、お母さんはもう出るから戸締りしっかりしてね。それと今日は優作の息子さんが来るから、昨日と同じ位の時刻に帰ってきて。よろしくね」
そうやって明るく家を出ていくお母さんに向かって、
「…うん、分かったよ」
と、暗く返事をする私。
今日は、いや今日も、長い1日になりそうだ。
キムさんの言葉を思い出して、私は1人で頷く。
(怖くないのに…)
どうしたんだろう、私。
その呟きは声にならずに、頭の中だけで再生されて消えていく。
(……もういいや、寝よう)
心臓の鼓動が元に戻るまでしばらく壁にもたれかかっていた私は、最初に目を覚ましてから約20分後にようやく横になって目を閉じた。
(寝よう。そう、寝れば大丈夫)
けれど。
先程の恐怖が上手く拭えず、結局ようやくうたた寝が出来たかな、という所で朝になってしまった。
つまり、4時間程しか寝れていない。
(…無理、眠い…ああ、こんなに寝なかったのは元旦の日以来だ……)
窓の外からは鳥の鳴き声が聞こえるこの清々しい朝に、私は1人大欠伸をしながら学校へ行く支度をして。
「瀬奈、お母さんはもう出るから戸締りしっかりしてね。それと今日は優作の息子さんが来るから、昨日と同じ位の時刻に帰ってきて。よろしくね」
そうやって明るく家を出ていくお母さんに向かって、
「…うん、分かったよ」
と、暗く返事をする私。
今日は、いや今日も、長い1日になりそうだ。



