「あら本当?梅川なら近いし、それなら転校しなくて大丈夫ね」


お母さんも、ポンと手を打って頷いた。


その他の会話でも、それらはどれもトントン拍子に決まっていく。



「再婚の式はどうする?挙げ…」


スマホで式場を調べながら、キムさんがお母さんに質問した。


「挙げなくていいでしょ」


時間がかかるし、子供達にも負担がかかる、と、お母さんはばっさりと切り捨てた。


キムさんも、そう思っていたよ、と頷いてスマホを閉じた。


「名字はどうする?」


キムさんがまた尋ねた。


「…別に、無理して変えなくてもいいんじゃない?私と瀬奈は“南”で、優作と息子さんは“キム”で。それも新しい家族の形だよ」


「…それが良いです」


私も賛成する。


急に私の名前が“キム・瀬奈”になったら、クラスの人が困惑するに違いない。


それに、韓国では結婚をしても名字を強制的に変えないとも聞いた。


私とお母さんの意見を聞いた彼は、僕もそう思っていたよ、とまた笑顔で頷いた。


「うん、そっちの方が分かりやすいからね。じゃあ、そういう風に息子にも伝えるね」


「あと、いつ優作の家に引っ越せばいい?それと、いつあなたの息子さんと私達は会えるの?」


続いて質問をしたのは、お母さん。