あの人の、


『死ね』


という言葉が、ありありと目に浮かぶ。


そして、私の肩を触った人を、私はお父さんだと認識してしまうのだ。



そのフラッシュバックが起こると、私は自分を制御出来なくなる。


目の前に居るのは紛れもなくお父さんで、その手に持っているのは包丁で……、と、あの日と現在を重ねてしまうのだ。


所構わず泣いてしまうし、そんな私をなだめて落ち着かせるのには少し時間がかかる。





『私の肩には、触らないで下さい』





それが、お父さんが私に残した、最後のお仕置きだった。