その後の事は、正直言って余り詳しく覚えていない。


何となく覚えているのは、私を抱き締めたお母さんがそのままの格好で警察に連絡をした事(もちろん、その間もずっとお父さんを睨み付けていた)。


お父さんは、すぐに駆け付けた警察官によって現行犯逮捕された。


後でお母さんから聞いた話によると、お父さんは手錠をかけられでもなお、


『俺は間違ってない、悪いのは全部こいつだこいつがいけないんだっ、お前なんて生まれてこなけりゃ良かったんだよクズが!早く死んじまえよ!』


とか何とか、いつも私に言っていた台詞をまだ繰り返していたらしい。


私が覚えているのは、そんな彼に向かって、


「ちょっと何言ってるか分からないけど、とにかく一生その面見せないで」


と、お父さんよりも怖い笑顔でお母さんがそう言っていた事。



その後、私とお母さんは警察署に行って事の経緯を詳しく聞かされた。


行動が早く、すぐに離婚届を市役所に提出したお母さんはほぼ何も知らないから、すぐに彼女の事情聴取は終わったけれど、全てを知っている私への事情聴取は何日にも及んだ。


栄養失調や、精神状態が不安定だった為、事情聴取のペースは全て私の体調に合わせて進んだ。


話している最中に、お父さんからされた事をリアルに思い出して泣き叫んだり、パニックになったりと、とにかく私も周りの人も大変だった。