「下着も脱げ!」


また、怒鳴られた。


「っ、はい」


これから彼にされる事は、今までで1番危険な事かもしれない。


何も分からないけれど、お風呂以外で男の人の前で裸になるなんて普通は有り得ない事だから。


若干どころではない恥ずかしさと身の危険を覚えつつ、私は上半身だけ裸になった。


上の下着は、洋服と同じく端に置いて。


「あぁ?…下は脱がねえのかよ」


目の前に立っている彼は、大き過ぎて巨人にも見える。


そんな彼の言葉に、私は下唇を噛んだ。


「っ…」


(嫌、だ…)


何だか、いつもよりもお父さんをまとう雰囲気が怖い。


「ほら脱げよ、裸にならねえと話は始まらねえからな。…おら脱げよ!」


途端にお父さんがしゃがみ込み、完全に座り込んでいる私の方へ前のめりになった。


ゆっくりと、その手が、私の首筋から胸にかけてをなぞっていく。


くすぐったいというより、単純に気持ち悪い。


嫌過ぎて、身体中が拒否しているのが分かる。


「ふふふ…いい事してやるから、早く脱げよー」


舌なめずりをするお父さんが、今年1番怖くて気持ち悪くて。


鳥肌が一瞬で立ち、全毛穴から冷や汗が溢れ出る。


「っ…は、いっ……」