そしてお兄ちゃんは、びっくりして口を開けている私の頭をぽんぽんと軽く撫でて自室へ戻ってしまった。


そんな彼に、家族だと分かっていてもキュンとしてしまう私。



トユンさんが2階に上がってしまった後、私はゆっくりと袋を開けた。


(わあっ!)


中身は、私の大好きな抹茶味のマカロンだった。


私の好きな味を覚えていてくれたなんて、しかも半ダース分買ってきてくれるなんて、最高だ。


「…ありがとう」


私の最悪な酷い過去を受け入れてくれた事も、私の事を大好きだと言ってくれた事も、約束をしてくれた事も、手を握っていてくれた事も、アイドルだから大変なのにいつも優しく接してくれる事も、私を心配して楽人さんを連れて来てくれた事も。



全てにおいて、ありがとう。



promise、つまりパパさんやお兄ちゃんと交わした約束があるから、私はこれからも自分の過去と向き合いながらも頑張れる。



「また 悲しみが僕を暗闇に消しても いつか僕が僕じゃなくなっても 今なら耐えられる 君が居るから 僕は大丈夫 もう助けはいらない…………」



そして私は、promiseの曲である“Truth”の歌詞を呟いた。