だから私も安心して話せたし、彼も私と一緒に泣いてくれた。


それは、私が孤独では無い事を教えてくれている様で素直に嬉しかった。




｢………っていう事があって、だから…、たまに変な行動をしちゃったり、急に泣き出しちゃったりして、ごめんなさい…｣


全ての事を説明し終えた私がしゃくりあげながらそう言うと、トユンさんはふるふると首を横に振った。


そのせいで、彼の目に溜まっていた透明の光が頬を流れていく。


｢そんなの、全然………大丈夫だからっ、｣


トユンさんも余程ショックだったのか、片腕で顔を覆った。


肩が小刻みに震えているのが分かる。


こんな状況でも尚、


(トユンさん、格好良い…)


と思ってしまう私は、相当重症だろう。


｢あの、それで……。私が虐待を受けてても何とか耐えられたのは、“もしも私に兄が居たら”っていう想像をしていたからで、…｣


トユンさんの肩の震えが一瞬で治まる。


｢その時、考えてたんです。…全てを包み込んでくれる様な温かい笑顔を向けてくれて、私がずっと泣いてても、『大丈夫だから』って言ってくれる、優しい兄の事を｣


そうやって考える事で私は生きれてたんですけど……、今考えると、私は、トユンさんみたいな兄の事を想像していたのかもしれないです、と、私が言った瞬間。