楽人さんは確か、


『これからトユンが何かを相談してきたり打ち明けたりしてきたら、その相談に乗ってあげて、トユンを義兄としてちゃんと受け入れてあげて欲しいんだ。…んー何て言うか……、トユンもトユンなりに頑張ってるから、瀬奈ちゃんもトユンを信じてあげて、頼ってみて欲しい』


と、私に言ってきた。


あの意味は、きっとこれだろう。


トユンさんはトユンさんなりに考えて、考えて考えて私の為に行動をしてくれていたのだ。


(………)



「でも瀬奈ちゃんは、何か抱えてる…って言うか悩んでるというか、急にパニックになったり泣き出したりうなされたりしてるから何かあるなって思ったんだけど、俺も俺で色々あったせいで全然寄り添えなくて、…」


瀬奈ちゃんに頼られる様になりたかったんだけど、俺ってまだまだなんだなーって……俺、また振り出しに戻っちゃったみたい、と吐き出した義兄の声は、今までで1番震えていて、自傷的な響きを含んでいた。


「ごめんね、瀬奈ちゃん。………言いたかったのはそれだけだよ。グダグダ長い話しちゃってごめんね、おやすみー!」


彼が無理に笑って、無理に明るい声を出して、無理に振る舞っているのくらい私にも分かる。