「えっ、……ユナ、サラ…」


そして、トユンさんも。


サラちゃんと同じく、驚いた様に、何となく悲しそうに2人の妹の名前を呼んだ。



そして、少しの間が空き。


「……오랜만 이군요, 오빠(……久しぶりですね、お兄ちゃん)」


私とにこやかに話していた時とは打って変わり、冷たい目をトユンさんに向けたサラちゃんは、そう言い放った。


「뭐하러 왔어?(何しに来たの?)」


それに応えるトユンさんの声も、今まで聞いてきた中で1番冷たくて。


(えっ、トユンさん…?)


彼の氷の様な眼差しに射抜かれた彼女達は、少しだけ怯えた様な表情を浮かべ。


「무엇 이라니…오빠화물 반환에 온 뿐이지 만(何って…お兄ちゃんの荷物、返しに来ただけですけど)」


「우리는 짐을 반환에 오는 것도 할 수 없나요?(私達は、荷物を返しに来るのも出来ないんですか?)」


「순전히 우리의 것을 싫어하나요?(そんなに私達の事が嫌いですか?)」


トユンさんに、弾丸の様に質問を浴びせた。


全て韓国語だから、私には言葉の意味がまるで理解が出来なかった。


「아니야!(違うよ!)」


「무엇이? 무엇이 다릅니 까?(何が?何が違うんですか?)」


慌てて否定する素振りを見せた彼の声に重ねる様にして、ユナちゃん(と呼ぶ事にした)が言い返した。