「お母さんよりも知ってる事、あると思うから。…それに、あんな事を二度と繰り返したくないから、きちんとキムさんには伝えたい」


このまま2人が再婚しなくて別れた後、キムさんに私とお母さんが話した事を笑われてもいい。


けれど、今は仮にも2人は付き合っている。


キムさんは、私のお母さんに想いを寄せている。


再婚したいと、2人は強く願っている。


私がこの後、キムさんと上手くやっていけるかなんて神のみぞ知る事だけれど。


いくら成人男性が嫌いだからといっても、これは伝えなければならない。



お母さんは既に、


「瀬奈が生まれた頃は、あの人は全然そんな怖い事はしなくてね、優しかったの」


と、話を始めている。



だから、私は。


「……でも、私が物心着いた時…6才位の時から、お父さんは変わっていきました」


重い重い口を、ゆっくりと開いた。