しっかり音程が取れていて、強弱がつけられていて。


他のメンバーと同じく、彼も自分の想いを歌に乗せているのが明らかだった。


その声だけに集中すれば、本当に彼の吐息が、呼吸が聞こえてきそうで。


最も、1番歌の中で呼吸が聴こえてきたのは、1番感情移入しているのが初めて聴く私でも丸分かりの、ショーンの歌声だったのだけれど。


「トユン、さん……」


あんなににこやかに笑っていて、キムさんにも愚痴愚痴と言っていた彼が、こんなにも心からの想いを歌にする事が出来るだなんて。


promiseが日本を代表するアイドルグループだという事は重々承知していたつもりだったけれど、それでも初めて聴く彼らの歌は凄いんだと感じた。


それと同時に、トユンさんが私の義理の兄になった事も、本当に奇跡に近い確率で凄いという事も。



そして。



『これが 僕と君との 約束』



歌も終盤に近付いてきたのか、1度短い間奏を挟んでから、またあの台詞が複数人の声によって歌われた。



『もしも君が泣いたら 世界が泣いてしまうんだ 少なくとも僕は そう思ってる』


『笑顔になって 辺りを見てよ 皆も笑顔になるはずだから』


『悲しい事は半分こして 嬉しい事は2倍にしよう』


『これが 僕と君との 約束』