「このフランス語は、ガブの声ね。ガブはどの歌でもほとんどフランス語で歌ってるから、多分分かりやすいはず」


フランス語なんて、今まで全くと言っていい程関わりが無かった。


英語と同じ様な発音なのかな、なんて大雑把に考えていたけれど。


彼…ガブの発音は、当たり前だけれど英語とはまるで発音が違っていて。


先程と同じ意味の歌詞を違う言語で歌っているだけなのに、どんどん惹き込まれていく。


何度でも、彼のフランス語の歌声を聞きたいと思えた。



『하지만 나는 너를 알고 싶은거야(でも 僕は君の事を 知りたいんだよ)』


『그래서 약간의 이야기 좋겠어 조금 조금(だから 少しは話して欲しいんだ 少しでいいから ほんの少しだけでいいからさ)』



そして、リズムに乗った韓国語の声が流れ込んできた。


「この声は、ユンちゃん。ユンちゃんの韓国語の歌声はアッキーとはまた違って美しくてね、もう何、国宝級レベルっていうの?そんな感じなのよとにかく」


「おおーっ、!」


輝星のその声に、私は思わず感嘆の声を上げてしまった。


(これが、トユンさんの歌声…!)


義理の兄の歌声は、とにかく素敵だった。