「また明日ね、トユン君。気を付けて帰ってね!」
トユンさんに話し掛けられた事により一瞬で頬が赤くなったお母さんは、予想通り1オクターブ高い声を出して見送りをして。
「碧も…瀬奈ちゃんも、今日はありがとう」
トユンさんに続いて靴を履き始めたキムさんも、私達に前と同じく笑顔で挨拶をして。
「はい。……さようなら」
キムさんは、私の声を聞いてにっこり頷くと。
「お邪魔しました。トユン、行くよ」
アイドルだと気付かれない為なのか、いつの間にか帽子を目深に被り、アイドルが付けている事でお馴染みの黒いマスクを身につけたトユンさんの手を引き、こちらに軽く手を振って外へ出て行った。
「……瀬奈。キムさんと話すのも、トユン君と話すのも緊張すると思うの。…無理はして欲しくない、でも…、出来るだけ、コミュニケーションは取ってね」
「……うん。キムさん、私のお父さんの事をトユンさんに言ってくれたんだね」
キムさん達が帰った後、2人して余韻に浸っていたからか、私達が話した事は少なくて。
お母さんは、キムさん達の事を褒めまくると同時に私の事を心配してくれた。
そして私は私で、彼らがまだ怖いという気持ちは拭えないものの、トユンさんの反応から“もうキムさんはお父さんの事と虐待の事を伝えてくれたんだ”、と解釈をしていた。
トユンさんに話し掛けられた事により一瞬で頬が赤くなったお母さんは、予想通り1オクターブ高い声を出して見送りをして。
「碧も…瀬奈ちゃんも、今日はありがとう」
トユンさんに続いて靴を履き始めたキムさんも、私達に前と同じく笑顔で挨拶をして。
「はい。……さようなら」
キムさんは、私の声を聞いてにっこり頷くと。
「お邪魔しました。トユン、行くよ」
アイドルだと気付かれない為なのか、いつの間にか帽子を目深に被り、アイドルが付けている事でお馴染みの黒いマスクを身につけたトユンさんの手を引き、こちらに軽く手を振って外へ出て行った。
「……瀬奈。キムさんと話すのも、トユン君と話すのも緊張すると思うの。…無理はして欲しくない、でも…、出来るだけ、コミュニケーションは取ってね」
「……うん。キムさん、私のお父さんの事をトユンさんに言ってくれたんだね」
キムさん達が帰った後、2人して余韻に浸っていたからか、私達が話した事は少なくて。
お母さんは、キムさん達の事を褒めまくると同時に私の事を心配してくれた。
そして私は私で、彼らがまだ怖いという気持ちは拭えないものの、トユンさんの反応から“もうキムさんはお父さんの事と虐待の事を伝えてくれたんだ”、と解釈をしていた。



