「あっ…、もしかして、ニックネームがユンちゃんの…?」
そこで、ようやく“キム・トユン”という人の顔写真をはっきりと頭の中に映し出し、そんな彼のあだ名まで思い出した私。
深呼吸を繰り返し、引き攣る頬を何とか元通りにさせながら、彼はにこりと笑って軽く頭を下げた。
「そうそう、ユンちゃん!…それで、今日から君の義兄になります。宜しくね、瀬奈ちゃん」
(…、)
義兄。
その言葉が、私の脳を何度もぐるぐると駆け巡る。
これから、私には義兄が出来るのだ。
幼少期から泣く程、存在だけでいいから欲しがっていた、血の繋がりなんてどうでもいい、ただ兄と呼べる人が出来る、いや出来たのだ。
彼は、私が想像していた様な、いざとなったら優しい言葉で私を救ってくれる人ではないかもしれない。
それでも、例えアイドルだろうと“兄”と呼べる存在が出来たのが、想像が現実になった事が、嬉しくて。
男性はまだそれなりに怖いし、きっと彼等とは当分きちんと目も合わせられないかもしれないし、自分から余り話し掛けないかもしれない。
それでも、彼等は前のお父さんの様な人ではないはずだから。
「あっ、こちらこそ宜しくお願いします。…キム、さん…?」
そこで、ようやく“キム・トユン”という人の顔写真をはっきりと頭の中に映し出し、そんな彼のあだ名まで思い出した私。
深呼吸を繰り返し、引き攣る頬を何とか元通りにさせながら、彼はにこりと笑って軽く頭を下げた。
「そうそう、ユンちゃん!…それで、今日から君の義兄になります。宜しくね、瀬奈ちゃん」
(…、)
義兄。
その言葉が、私の脳を何度もぐるぐると駆け巡る。
これから、私には義兄が出来るのだ。
幼少期から泣く程、存在だけでいいから欲しがっていた、血の繋がりなんてどうでもいい、ただ兄と呼べる人が出来る、いや出来たのだ。
彼は、私が想像していた様な、いざとなったら優しい言葉で私を救ってくれる人ではないかもしれない。
それでも、例えアイドルだろうと“兄”と呼べる存在が出来たのが、想像が現実になった事が、嬉しくて。
男性はまだそれなりに怖いし、きっと彼等とは当分きちんと目も合わせられないかもしれないし、自分から余り話し掛けないかもしれない。
それでも、彼等は前のお父さんの様な人ではないはずだから。
「あっ、こちらこそ宜しくお願いします。…キム、さん…?」



