約束~悲しみの先にある景色~

『で、次は最後ね。7人目…promiseのe…enjoy(楽しむ)担当の、』


『元々韓国に住んでて、韓国と日本を往復してたんだけど、何か近頃は日本に住み始めたみたい』


輝星の言葉が閃光の如く思い出されるのに、肝心な人名とニックネームがすっぽりと抜けてしまっている。


彼があのアイドルグループ、promiseの7人目なのは分かっているのに。


けれど、喜びや感動や興奮よりも、私の中では彼の名前を当てなければいけないという気持ちが勝っていた。


そもそも、promiseの曲を1曲も聞いた事がないという事も影響しているのかもしれないけれど。



『ヘアバンドに“promiseとprotectを結んでくれるヘアバンド”っていう意味を込めて“結”って名前を付けたの』


自分の記憶の中からpromiseに関する情報を必死に絞り出し、最終的に出てきたのは彼の付けているヘアバンドの名前だった。


「それ、結……」


何とか、それだけでも分かる事を伝えたくて口を開くと、


「お、そうそう!結を知ってるんだ、ありがとう!……で、俺の名前は…?」


机のやや下で、息子さんは見え見えのガッツポーズをした。


そして、無垢な小動物の様な目を向けながらまた尋ねてきた。