(キムさんは怖くなかった、だからキムさんの息子さんも怖くない)


(昨日、優しいって言ってたし)


(…部活を休んで家に帰ったら、もうキムさん達は居るんだよね?)


(……お父さんの事は、何が何でも思い出さない様にしないと、)


(待って、キムさんは息子さんに伝えてくれたんだよね?私の過去を)


沢山沢山同じ様な事を考えて、悩んで、結局出た結論は、


(……ともかく、憂鬱だ)


家に帰る事自体が、新しく家族となる人達に会うこと自体が、憂鬱だという事だった。


もちろん、家族として毎日顔を合わせていたらこんな感情は消え失せるのだけれど。


キムさんの息子さんに、義理の兄になるであろう人に会ったことも無い今から、私は不安を募らせるばかりだった。



それは、


(…そういえば、朝の時間に私は輝星と、promise?protect?…何かそういう感じの名前のアイドルグループについて話したなぁ)


(メンバーは5人…あれ、7人だっけ?)


(何か、それぞれのメンバーに暗い過去があった、んだっけ?あれ?)


(その過去の内容は、いじめと、虐待と、…虐待と、虐待?…あれ、虐待されてたメンバーはこんなに居なかったよね?)


と、輝星と話していたアイドルグループの名前がファンの名称とごちゃ混ぜになり、メンバーの暗い過去が全て“虐待”に置き変わってしまう程だった。