約束~悲しみの先にある景色~

(あっ、そうだったんだ)


同じ様な経験をした人がいるからなのか、promiseに妙に親近感が湧いてしまう。


「笑える様になって良かったね」


正直に、素直に私がそう言うと。


「ね。protectもメンバーも最初は心配してたから、本当に良かったと思う」


彼女は、まるで保護者の様に安心した笑みを浮かべ、


「…でね、その、ショーンのお母さんがショーンをまともに扱わなかったのには、理由があるらしくて」


うーん、と軽く唸りながらそんな風に言い始めた。


(やっぱり、理由はあるんだ…)


その一言で、私の心はズドンと重くなる。


私が虐待されていた理由は良く分からないけれど、多分私は家族としてみなされていなくて、私自身がお父さんにとって不要な存在だったからだと思う。


私は、彼の単なるストレス発散の道具だった。


なら、彼は?


「それって聞いていいん、だよね?……何なの?」


そっと、声を抑えて尋ねると。


「あのね、凄いオカルト的な話になるんだけど」


彼女も、声を潜めて前屈みになった。


「……ショーンね、人の“壁”が視えるの。それを変だってお母さんが解釈したから、ショーンはネグレクトを受けてたんだ」